リチウムイオン vs リン酸鉄リチウム 安全性・危険性を比較|発火しにくい安全な電池はどっち?

モバイルバッテリー、ちゃんと選んでますか?
最近、「スマホ充電中にバッテリーが発火した」なんてニュースをよく見かけるようになりました。
私も最初は「またか」と流していたけど、よくよく調べてみると想像以上に深刻な状況。

2020年~2024年に、事故件数は1,860件。しかもその8割以上が火災にまで発展しています。
(事故件数の中には、調査中の事故や原因は特定されていないが、リチウムイオン電池に起因した可能性があると推定される事故も含んでいます。)
リチウムイオン電池搭載製品の事故 – ちゅうごく地域ナビ – 中国経済産業局
特に夏場は要注意。高温下にバッテリーを放置することで「熱暴走」が起きやすくなり、火災や爆発のリスクが一気に高まります。

では、どんなバッテリーを選べば安心できるのか?
本記事では、そんなリチウムイオンバッテリーの危険性と、より安全とされる「リン酸鉄リチウム電池(LiFePO₄)」との違いをわかりやすく解説。
この記事を読めばそのモヤモヤ、スッキリ解決!それじゃあ、ズピュッと見ていこう!

次に読む記事→Androidスマホのおすすめ日本製・日本メーカーモバイルバッテリー7選!発火しにくい安心・安全なモデルを厳選

知らずに放置すると危険?猛暑時にモバイルバッテリーが発火・発煙する理由

2020〜24年で1,860件、事故の8割超が火災に。夏に多い事故傾向とその要因

リチウムイオンバッテリーの事故、年々増えてるって知ってましたか?
NITE(製品評価技術基盤機構)のデータによると、2020年から2024年の間に1,860件の事故が報告されていて、その約85%が火災にまで発展しています。

さらに怖いのは、事故の多くが“6月~8月の夏場”に集中していること。
例えば2024年8月だけで、なんと228件。これは2月の約2.5倍というから、ちょっとシャレにならない数字です。


引用:『夏バテ(夏のバッテリー)』にご用心~「リチウムイオン電池搭載製品」の火災事故を防ぐ3つのポイント~ | 製品安全 | 製品評価技術基盤機構

背景にあるのは、やっぱり猛暑によるバッテリー内部の温度上昇
炎天下で放置されたり、バッグの中で密閉された状態だと、内部温度がどんどん上がって“熱暴走”に至る危険性が高まります。

「夏に充電してたらやたら熱くなるな…」って思ったこと、あなたにもあるはず。
でもそれ、実は危険信号かもしれません。

高温環境での内部劣化、膨張、異常発熱が引き金に

リチウムイオン電池の弱点は、なんといっても高温に弱いこと。
大体60℃を超えると、内部で劣化や発熱が加速していきます。

そして夏の車内温度、あなどれません。
真夏の日中、クルマの中は70〜80℃に達することもザラ。そんな環境にモバイルバッテリーを置きっぱなしにしたら…考えるだけでゾッとしますよね。

実際にあった事故例では、2023年8月に「車内に放置していたバッテリーが突然発煙・発火した」という報告が上がっています。
これ、内部のガス膨張や電解液の蒸発が引き金になって、ショートや熱暴走を起こした典型的なパターン。

つまり、高温環境ってそれだけ危険のトリガーになりやすいってことなんです。

そもそもリチウムイオン電池って何?安全性とリスクのメカニズム

熱暴走とは?内部で起こる連鎖的な反応

熱暴走とは、リチウムイオン電池の内部で起きる制御不能な温度上昇のこと。
ショート(短絡)や過充電などをきっかけに発熱が始まり、その熱がさらに化学反応を引き起こすことで、温度が連鎖的に上昇していく。
最終的には発火や爆発に至る危険性があります。

実際に、熱暴走は以下のようなステップで進行します。

  • 約80℃付近:
    電極と電解液が反応を起こし始める初期段階。この温度帯では、負極と電解液の反応が先に進むケースが多いです。
    また、電解液そのものが単独で熱分解を始めることもあり、電池内部の温度がじわじわ上昇していきます。
  • 約140℃付近:
    セパレータ(正極と負極を分離する薄いポリマー膜)が熱で変形を始めます。
    セパレータは通常、イオンを通しつつ電極同士の接触を防ぐ重要パーツ。この段階で「シャットダウン機能」と呼ばれる安全機構が働き、一時的に反応を抑える設計になっています。
    しかし変形が進むと、絶縁性が失われてショートのリスクが一気に高まります。
  • 約200〜300℃付近:
    電極材料の熱分解が進みます。
    まず、電極を構成するバインダー(接着剤)が分解し、その後に正極や負極の活物質が分解反応を起こします。
    特に正極活物質(ニッケル、コバルト、マンガン系など)は酸素を放出する性質があり、この酸素が燃焼を一気に加速。
    電池内部が酸素供給源となることで、火災のリスクが一段と高くなります。
  • 約660℃以上:
    正極側の集電体に使われているアルミニウム箔が溶け始めます。
    この段階に至ると、「テルミット反応」と呼ばれる非常に強い酸化反応が発生し、燃焼の温度は1,000℃を超えていきます

こうして一度熱暴走が始まると、その連鎖反応は手のつけようがないほど激しく、止めるのが極めて困難になります。

だからこそ重要なのが、「そもそも熱暴走が起きにくい」構造や素材を持つ電池を選ぶこと。
このあと紹介する「リン酸鉄リチウム電池(LiFePO₄)」は、まさにこの“熱暴走しにくさ”を備えた電池なんです。

保護回路や安全装置(CID・PTCなど)の仕組み

もちろん、今のモバイルバッテリーがすべて危険ってわけじゃありません。
現代のバッテリーは安全対策もかなり進化していて、内部にはさまざまな保護回路や安全装置が組み込まれています。

代表的なのがこの2つ:

  • CID(Current Interrupt Device)
    バッテリー内部の圧力が異常に上がったときに、電流の流れを機械的に遮断する装置。
    圧力上昇=内部反応の異常サインを検知し、回路を“バチッ”と遮断して暴走を防ぎます。
  • PTC(Positive Temperature Coefficient)
    高温時に自動的に抵抗値を上げて、電流をセーブする仕組み。
    過電流や異常加熱を検知すると、回路にブレーキをかけて熱の暴走を抑える働きをしてくれます。

こうした安全機構のおかげで、多くのバッテリーは通常使用の中では一定の安全性が確保されています。
でも――

高温環境だったり、経年劣化が進んだ電池だったりすると、この保護機構だけでは対応しきれないこともある。

つまり、「安全装置があるから絶対安全」というわけではなく、使い方や環境によっては限界があるという現実もちゃんと知っておく必要があります。

先進の安全設計「LiFePO₄(リン酸鉄リチウム電池)」とは

LiFePO₄のメリット

ここまで熱暴走や発火のリスクを見てきたけど、じゃあ「安心して使える電池」って何なの?という話。
そこで注目されているのがLiFePO₄(リン酸鉄リチウム電池)。これは、安全性・耐久性・環境性能すべてに優れた“次世代バッテリー”なんです。

まず最大の強みは圧倒的な安全性

  • 耐熱性が高く、過充電やショートが起きても発火しにくい
  • 損傷しても有害ガスがほとんど出ない

次に長寿命という点も魅力。

  • 充放電サイクルは2,000〜4,000回以上(一般的なリチウムイオンの約4倍)
  • 長期的に見てコストパフォーマンスが非常に良い

さらに、電力供給の安定性も優秀。

  • 高温や低温でも電圧が安定しやすく、突然の電圧低下が起きにくい
  • ポータブル電源やアウトドア用途でも信頼できる安定出力を発揮

そして最後に、環境にも優しい

  • コバルトやニッケルを使っていないので、採掘リスクや環境負荷が小さい

安全・長寿命・安定・環境配慮、ここまで揃ってるバッテリーは、正直なかなかない。

LiFePO₄のデメリット

とはいえ、完璧な電池なんて存在しません。LiFePO₄にも弱点はあります。

  • 低温性能に弱い: 気温が-10℃以下になると、電池の出力や充電効率が大きく低下します。
  • 充電互換性の制限: 他のリチウム電池とは充電電圧が異なるため、専用のBMS(バッテリーマネジメントシステム)や充電器が必要になる場合も。
  • 初期コストが高め: 導入時は一般的なリチウムイオン電池より高価ですが、長寿命ゆえに結果的にはコスパ良好なことが多いです。

リチウムイオン電池とLiFePO₄の比較表

特徴 リチウムイオン電池 リン酸鉄リチウム電池(LiFePO₄)
化学物質 LiCoO₂、LiMn₂O₄ など LiFePO₄
エネルギー密度 150–250 Wh/kg(高い) 90–160 Wh/kg(中程度)
安全性 高温・過充電で発火リスクあり 非常に高い。発火リスクが低い
サイクル寿命 約500〜1,500回 約2,000〜4,000回以上
出力安定性 電圧が変動しやすい 電圧が安定している
コスト 普及価格帯だが寿命は短め 初期は高めだが長寿命でコスパ良し
温度耐性 高温・低温で劣化しやすい 温度変化に強い
主な用途 スマホ、ノートPC、EV 蓄電池、電動工具、ポータブル電源

この表を見れば一目瞭然。
日常使い+高い安全性を求める人には、LiFePO₄はかなり有力な選択肢です。

(※リチウムイオン電池とリン酸鉄リチウム電池の違いとは? – LiTime-JPを参考にしました。)

他にもある?安全性が高いモバイルバッテリーの種類はあるのか?

今のところ市場で安価に流通されているのは、リチウムイオン電池です。

最近注目されている電池として「リン酸鉄リチウム電池(LiFePO₄)」、エレコムから発売されている「ナトリウムイオン電池(Na-ion電池)」、HAMAKEN WORKSから発売されている「準固体電解質電池」など、ここ数年でさらに安全性・コスト・資源面に配慮した新しいバッテリー技術も、続々と登場してきています。

こちらの記事では最新の安全設計を採用したモバイルバッテリーについてまとめられています。
より具体的な製品を知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

次に読む記事→Androidスマホのおすすめ日本製・日本メーカーモバイルバッテリー7選!発火しにくい安心・安全なモデルを厳選

安全なモバイルバッテリー選びのポイント

「危険性の低い電池を選びたい」と思っても、実際に売られているモバイルバッテリーって種類が多すぎて迷いますよね。
私も調べ始めたときは「どれが本当に安全なんだ…?」と混乱しました。
そこで、ここでは購入時&使用時に必ず押さえておきたいポイントを整理しました。

PSEマークの有無を確認する

まず大前提として、日本で売られているモバイルバッテリーは電気用品安全法(PSE法)の規制対象。
本体にPSEマークがない製品は、そもそも法的に販売できないし、安全性に大きな不安ありです。
購入前に本体やパッケージを確認して、「PSEマーク」がしっかり表示されているか必ずチェックしましょう。

信頼できるメーカーを選ぶ

メーカーやブランドの信頼性も超重要。
過去にリコールがあったかどうかカスタマーサポートがしっかりしているかも確認しておきたいところ。
特に国内メーカーや大手ブランドの製品は、法規制に加えて独自の安全基準を持っているケースが多く、安心感があります。

使用環境に注意する

どんなに安全な電池を選んでも、使い方が雑だと意味がありません。
日常で意識すべきポイントは

  • 真夏の車内に放置しない(車内温度は70〜80℃に達することも)
  • 落下や強い衝撃を与えない
  • 水濡れ・湿気の多い場所で使わない

たったこれだけの注意で、発火や劣化のリスクを大幅に減らすことが可能です。

用途に合わせた電池種類

モバイルバッテリーの電池にも種類があり、それぞれ特性が違います。

  • 軽量・コンパクト・値段重視:従来のリチウムイオン電池モデル
  • 安全性・長寿命重視:LiFePO₄(リン酸鉄リチウム電池)、準固体電解質電池、ナトリウムイオン電池モデル

安全性を高めたいなら、まずはPSEマーク、次に信頼できるメーカー、そして正しい使い方
さらに余裕があれば電池の種類まで気を配れば、安心感はグッと変わります。

現在市販されているLiFePO₄(リン酸鉄リチウム電池)、準固体電解質電池、ナトリウムイオン電池モデルのリストはこちらの記事でまとめています。
安全性重視のモバイルバッテリーの選び方を知りたい方はご覧下さい。

次に読む記事→Androidスマホのおすすめ日本製・日本メーカーモバイルバッテリー7選!発火しにくい安心・安全なモデルを厳選

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