ToDoリストを続けるやり方。続かない本当の理由は時間ではなく「エネルギー」で管理しないから
「ToDoリストを作っても全然続かない」
「やる気はあるのに、なぜか手が止まる」
「気づけば一日が終わっている」
そんな悩みを抱える人は多いのではないでしょうか。
かつての私も同じでした。
ある日、締め切りの1週間前に「リマインダー」を設定し、万全の準備を整えたつもりでした。
でも心のどこかで「まだ大丈夫」と思ってしまい、
結局、作業を始めたのは締め切りの2日前。
他の予定をすべて後回しにして、徹夜でなんとか完成させました。
できあがった原稿を見て、ほっとしたのも束の間──
残ったのは達成感より、どっと押し寄せる強い消耗感。
そして、気づいたんです。
「前回も、まったく同じことやってたな……」と。
しかし、書籍『メンタル・タフネス 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術』(ジム・レーヤー/トニー・シュワルツ)を読んで、考え方が一変しました。
タスクが進まない原因は「時間の使い方」ではなく、「エネルギーの使い方」にあったのです。
この記事は「メンタル・タフネス 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術」ジム・レーヤー (著), トニー・シュワルツ (著), 青島 淑子 (翻訳) を元に構成しています。
書籍絶版のため紙の本はプレミア価格です。各社電子書籍版・kindle版がありますので、そちらをオススメします。
目次
タスクが回らない本当の理由とは?ToDoリストが続かないのは意志の問題ではない
ToDoリストが続かないと、自分を責めてしまいがちです。
でも、問題は意志の強さではなく、タスクの「割り当て方」がずれているだけなのです。
私は、スケジュールを分刻みで詰め込んだ結果、最初のタスクで遅れて一日が崩れたことがあります。時間を管理しても、エネルギーが尽きていれば動けません。
つまり、「時間がある=進む」ではありません。
ToDoリストが動くのは、あなたのエネルギー状態が整っている時なのです。
重要なのは、
- 今どれくらい動けるか(エネルギー)
- どんな種類のタスクなのか(性質)
- 気持ちがどう向いているか(心理)
時間を細かく管理するよりも、「今どんな状態でいるか」を把握し、エネルギーの波に合わせて行動する方が、はるかに効率的なのです。
タスクが進まない3つの理由
- 時間が足りない: 予定を詰め込みすぎて、全体が崩れる。
- エネルギーが切れている: やる気はあっても、脳と体が動かない。
- 気が重い: 不安や完璧主義が行動を止めてしまう。
① 時間がない
予定を詰め込みすぎて、1つの作業で時間オーバー。結果、他のタスクが後回しになってしまう。
② エネルギーが残っていない
やる気はあるのに、脳が動かない。身体が追いつかない。気合いではどうにもならない時があります。
③ 気が重い
苦手意識や不安、完璧主義。やらなければと思うほど動けなくなる。
重要なのは「意志の強さ」ではなく、タスクと自分の状態のズレを減らすことです。
成功する人は時間ではなくエネルギーを管理している
『メンタル・タフネス』の著者ジム・レーヤーは、成果を上げる人は時間ではなくエネルギーを管理していると説きます。
つまり、どれだけ長く働くかではなく、どれだけ集中できる時間をつくるかが鍵なのです。
多くの人は「時間をどう使うか」で生産性を考えがちですが、実際にはどの状態の自分で時間を使うかが結果を左右します。
エネルギーを整えて使うことこそが、ToDoリストを続け、成果を生み出す最も現実的な方法です。
「朝は思考系、夜は単純作業」が合わない人へ
タスク管理の本には「朝は思考系、夜は単純作業」とよく書かれています。
しかし、それが自分に合わないと感じたことはありませんか。
私もその一人でした。朝が苦手なわけではなくても、頭が完全に起きていない状態で構成を考えても進まない。
結局、画像のアップロードや誤字チェックだけで一日が終わることもありました。
同じことを繰り返すうちに気づきました。
時間帯ではなく、その瞬間のエネルギー残量に合わせてタスクを選ぶ方が現実的なのです。
「できること」に切り替えれば、前進は止まらない
エネルギーベースでタスクを選べば、「進まない日」でも小さな前進を積み重ねられます。
以前は「今日はもう無理だ」と何もせずに終える日もありましたが、今は
・誤字チェックだけやる
・画像のリサイズだけ進める
といったように、その日のエネルギーに合わせて動くようにしています。
この習慣を続けるうちに「タスクがゼロの日」がなくなり、
「今日も少し進めた」という実感が積み上がるようになりました。
エネルギーを味方につければ、タスク管理はぐっと楽になります。
4つのエネルギーを整える
『メンタル・タフネス』では、人のパフォーマンスは次の4種類のエネルギーで支えられていると説かれています。
- 身体的エネルギー(体の活力)
- 感情的エネルギー(ポジティブな感情)
- 精神的エネルギー(集中力と目的意識)
- スピリチュアルエネルギー(価値観の一致)
これらのバランスを整えることで、仕事も生活も持続的に成果を出せるようになります。
ポイントは「今の自分にとっての現実的な選択」
時間帯だけで「やるべき作業」を決めると、うまくいかないことが多いのは、人それぞれに“エネルギーの波”が違うからです。
「朝9時だから頭が冴えているはず」
「夜だから集中できないはず」
……そんな前提で動いても、実際の自分の状態がそれに合っていなければ、空回りします。
そこで有効なのが、エネルギー残量ベースのタスク管理です。
エネルギーベースでタスクを選ぶ方法
「やる気はあるのに集中できない」「時間はあるのに進まない」…そんな日こそ、時間ではなくエネルギーの残量に注目してみましょう。
無理に頑張るより、そのときの自分に合ったタスクを選ぶほうが、確実に前へ進めます。
締切前、「今日は書くぞ」とPCに向かったのに頭が回らず、結局画像整理だけして終わったことはありませんか。そんな日は、無理せず「できる作業」を選ぶ方が前に進めます。
たとえば「今日は疲れてて集中できない…」という日でも、ゼロじゃないなら「じゃあ、単純作業だけやっとこう」と選べばOKです。
エネルギーレベル別・おすすめタスク分類
| エネルギー状態 | 適したタスク | 具体例 |
|---|---|---|
| 高(集中力がある) | 思考・クリエイティブ系 | 記事執筆、構成設計、戦略立案 |
| 中(気力がある) | 意思決定系 | 優先順位づけ、返信、タイトル選定 |
| 低(疲れている) | 単純作業系 | 画像修正、誤字チェック |
| ほぼゼロ | 放置タスク系 | アップロード、同期、エンコード |
タイプ別・タスクの4分類テンプレート
「今、何をすべきか迷う」「目についたタスクから手をつけてしまう」──そんな人は、タスクを種類ごとに分けるだけで効率が変わります。
- 思考・クリエイティブ系: 記事企画・構成、戦略立案
- 意思決定系: 優先順位づけ、返信、タイトル選定
- 単純作業系: 誤字チェック、画像修正、データ整理
- 放置タスク: エンコード、同期、アップデート
自分の状態に合わせてこの分類を使い分けることで、無理なく前に進めます。
気が重いタスクは「心理的ハードル」を見抜く
やる気があるのに動けないのは、意志が弱いからではありません。
その背後には、苦手意識や不安、完璧主義といった心理的ハードルが隠れていることが多いのです。
これを乗り越えるコツは、「大きくやろう」とせず、まず小さく着手すること。
タイトルだけ考える、1行だけ書く、そんな小さな一歩でも、行動が始まれば心は軽くなります。
心理的ハードルを見抜き、少しずつ動ける形に変えることが、タスクを前に進める一番の近道です。
「このタスク、なんか手をつけたくない…」
「先延ばしにしてる理由が、自分でもよくわからない」
そんなときは、「やりたくない」ではなく、「心理的なハードル」があるだけかもしれません。
心理ハードルの正体とは?
- 苦手意識: やったことがない、失敗が怖い
- 不安感: ちゃんとできるか心配
- 完璧主義: 納得いくまで仕上げないと不安
- 重要すぎる: 失敗できないというプレッシャー
心理的ハードルを感じたときは、「やらない理由」を探すのではなく、「できる入口」を見つけましょう。
たとえば、タイトルだけ書く、案を出すだけにする、などの“小さな着手”で動き出せます。
どれも、「やりたいけど動けない」状態を引き起こす原因です。
しかも、自分では気づきにくいのが厄介。
対処法は「小さく着手」または「判断だけ先にする」
心理的なハードルを感じるタスクには、次の方法が効果的です。
- とりあえず触れてみる: タイトルだけ考える、冒頭の一文だけ書く
- 作業と判断を分ける: 2案だけ出して、選ぶのは翌日にする
- エネルギーが高い時間に行う: 朝一番や集中できるタイミングを選ぶ
「気が重いタスク=難しいタスク」ではありません。
ハードルの正体を見抜き、「やらない理由」ではなく「できる入口」を探すことが大切です。
タスク配分を迷わないための5つの視点
「今日は何からやろう」と迷っているうちに午前中が終わってしまう、そんな経験はありませんか。
タスクが進まない原因の多くは、やる気不足ではなく判断基準があいまいなことにあります。
感情で選ぶと、気分によって優先順位がぶれてしまうため、成果も安定しません。
そこで有効なのが、次の5つの視点でタスクを見極める方法です。
「エネルギー、集中、外部条件、心理的ハードル、成果の性質」の軸で判断すれば、迷いなく「今やるべきこと」を選べるようになります。
- エネルギー残量: 集中できるかどうか
- 集中の質: 深く集中が必要か、軽くでも進むか
- 外部条件: 締切・相手・ツールの都合
- 心理的ハードル: 気が重いか、気楽か
- 成果の性質: 積み重ね型か、一発完結型か
感情ではなく、この5軸でタスクを判断することで、安定した進行ができます。
まとめ:ToDoリストは「時間」より「状態」で選ぶ
ToDoリストが続かない原因は、意志の弱さではなく、エネルギー配分とタスク設計の不一致にあります。
時間を基準に管理するよりも、今の自分の状態に合わせてタスクを選ぶ方が、安定して行動を継続できます。
- エネルギー残量に応じてタスクを選ぶと、無理なく前に進める
- 心理的ハードルは「やる気の欠如」ではなく、設計の再調整が必要なサイン
- タスクの種類を事前に整理しておくと、判断の迷いを減らせる
まずは今日、「今の状態でも実行できるタスク」を一つ選んでみてください。
誤字チェックや画像整理など、小さな行動でも構いません。継続の起点は、常に小さな実行から生まれます。
かつての私は、「気合でなんとかなる」と信じていました。
しかし本当に大切だったのは、気合ではなく仕組みの力でした。
- 「やりたいこと」よりも「今できること」でタスクを選ぶ
- 5つの視点(エネルギー・集中・外部条件・心理・成果)で整理する
- 迷ったときは「心理的負荷 × エネルギー残量」で判断する
ToDoリストは、負担を増やすための仕組みではありません。
自分の状態に合わせて行動を最適化するためのツールとして使うことで、成果と安定の両立が実現します。
この記事は「メンタル・タフネス 成功と幸せのための4つのエネルギー管理術」ジム・レーヤー (著), トニー・シュワルツ (著), 青島 淑子 (翻訳) を元に構成しています。
書籍絶版のため紙の本はプレミア価格です。各社電子書籍版・kindle版がありますので、そちらをオススメします。


